1. ホーム
  2. マンション丸コラム
  3. 資金・税制
  4. マンションの住み替えは売却と購入どっちが先?ローンが残っている場合の対策とは

資金・税制

マンションの住み替えは売却と購入どっちが先?ローンが残っている場合の対策とは

「新しくマンションを購入したいけど、今住んでいる家のローンが残っている」

「自宅を売却に出したとしても、売れ残ってしまうのではないかと不安」

「そもそも何から手を付けたらいいかわからない」

今住んでいるマンションや一戸建てから住み替えたいと思っても、購入資金や引っ越しのスケジュール、自宅がちゃんと売れるのかなど、さまざまな疑問や不安から始めの一歩が踏み出せないという方も少なくありません。

自宅の住み替えには「売り先行」と「買い先行」という2つの方法があり、住宅ローンの返済が残っている場合と完済している場合によって進め方が異なります。

1.「売り先行」のメリットとデメリット

「売り先行」は、新居を購入するより先に自宅の売却を進める方法で、住宅ローンの返済が残っている方に向いています。

売り先行のメリットは、自宅の売却金額を新居の購入資金に充てられることと、希望の金額で売却できる可能性が高いという点。売却活動に時間をかけられるので、住宅ローンを完済できる金額で売却できれば二重ローンを回避でき、後述する「住み替えローン」を利用する必要もありません。

ただし売り先行の場合は、まだ自宅に居住している状態で内見の対応をしなければならないため、内見時の清掃や立会いにストレスを感じる場合もあります。また旧居を買主に引き渡す時点で引っ越し先が決まっていない場合は、一時的に賃貸マンションなどで暮らす必要があります。「売り先行」においては、旧居と新居の引き渡しのタイミングを合わせることが重要なポイントです。

2.「買い先行」のメリットとデメリット

「買い先行」は、自宅の売却よりも新居の購入を進める方法で、新居の購入資金に余裕がある人や住宅ローンを完済している人に向いています。

新居探しや引っ越し作業をマイペースに進められるだけでなく、引っ越し後は旧居がまっさらな状態になるため、内覧時の片づけの手間が減るという点がメリットです。

ただし買い先行ではどうしても旧居の売却を急ぐ気持ちから、売却金額が想定より安くなってしまう可能性が高まります。また住宅ローンが残った状態の人が何も対策せずに「買い先行」で進めてしまうと、旧居と新居の2つの住宅ローンを同時進行で返済しなければならなくなるため、あらかじめ入念な資金計画を立てておくことが重要です。

3.住宅ローンが残っていてもマンションを購入したいなら「住み替えローン」

しかしこれをご覧になっている方の中には、住宅ローンの支払いが残ってはいるものの、転勤や家庭の事情により、早く引っ越し先を見つけなければならない方もいらっしゃるでしょう。そのような方が利用できる方法のひとつとして「住み替えローン」というものがあります。

「住み替えローン」は、既に組んでいる住宅ローンの残債に新居の住宅ローンを加えて借り入れができるタイプの金融商品。通常住宅ローンを組んで購入した物件は、ローンを完済しなければ金融機関から売却の承諾を得ることはできません。つまり売却金額がローン残債に満たない場合や、不足分を自己資金で返済できない場合は、売却自体ができないケースも存在するのです。その点「住み替えローン」を活用すれば旧居のローンの返済も継続できるため、住宅ローン残債が残っている人でも新居を購入できます。

ただし「住み替えローン」は通常の住宅ローンよりも返済金額が大きくなるぶん、毎月の返済負担も増えることになるため、審査も比較的厳しい傾向にある点には注意が必要。ローン申込者の収入や与信のほか、新しく購入する物件の担保としての価値(資産価値)も入念にチェックされるということは覚えておきましょう。

マンションの住み替えは情報収集から

マンションへの住み替えは自宅の引き渡しと新居への引っ越しのタイミングを合わせるのが難しいため、入念なスケジュール管理が必要不可欠です。そしてできるだけ損をしない形で住み替えを終えるためには、自身のローンの返済状況や物件の売出し状況など、事前の情報収集が重要なカギを握ります。

特に物件の売出し状況は毎日変化しているため、日頃から物件情報にアンテナを張っておき、気になる物件があれば資料を取り寄せるようにしましょう。

この記事を書いた人

村田愛美

村田愛美

宅地建物取引士

上智大学外国語学部を卒業後、不動産調査会社在籍中に宅地建物取引士試験に合格。宅建士として事業用不動産の仲介営業職に従事し、退職後はレンタルオフィスの運営会社で入居者・契約管理をするかたわら、売買・賃貸・住宅ローンを中心とした不動産関連の専門性が高い記事を多数執筆。不動産初心者でもわかりやすい文章に定評がある。